おかあさんの考古学:三田市が96年作成の冊子、異例のロングセラーに /兵庫
1月3日15時0分配信 毎日新聞
◇裏方の主婦に焦点 埋蔵文化財関係者に人気
三田市が96年に作成した冊子「おかあさんの考古学」が、販売部数1万部を超えるロングセラーとなっている。遺跡発掘の裏方として働くパートの主婦らにスポットを当てたもので、全国の埋蔵文化財関係者に根強い人気があり、同市の担当者は「市作成の刊行物では異例の売れ行き」と驚いている。【粟飯原浩】
冊子は96年9月、主婦などがパートとして採用されている発掘補助員や遺物整理員の仕事を紹介する企画展のパンフレットとして作成した。土器の測定や洗浄、接合をする整理員の活躍を、写真やイラストを多く使って分かりやすく紹介している。
作業で感じた素直な気持ちをつづったエッセーも掲載。「一番ワクワクする接合。ジグソーパズルか神経衰弱か……」「この土器、最初からゆがんでいたかも……と都合のいいように解釈したい時も」などと、戸惑いながら考古学のロマンにのめり込んでいく様子が書き込まれている。
発行図書の交換で全国の埋蔵文化財施設に送ったところ「こんな本が欲しかった」などと評判になった。増刷を繰り返し05年9月に第6刷となり、計1万2500部を発行。発行から10年以上経過した今でも注文があるという。
研修用に毎年数冊購入する鹿児島県立埋蔵文化財センターの岩沢和徳・文化財主事は「発掘調査の流れが分かりやすく書かれ、発掘作業に初めて携わる人へのいい参考書」と評価する。編集スタッフの一人で同市生涯学習課発掘調査員の芦田由美さん(40)は「発掘を身近に感じてもらおうと、ビジュアルにこだわって作成した。こんなに長く愛されてうれしい」と話す。
A4判、44ページ。1冊300円。問い合わせは、同課(079・559・5144)。
〔阪神版〕
1月3日朝刊
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